「いつもの頭痛」に診断名をつけます
市販の鎮痛薬でしのいでいる頭痛にも、多くの場合は診断名がつきます。当院では脳神経内科専門医が頭痛のタイプを見極め、危険な頭痛を除外したうえで、発作を抑える治療と発作を起こりにくくする治療の両面からご提案します。
こんな症状でお悩みではありませんか?
- 月に何度も、寝込むほどの頭痛が起こる
- 市販の頭痛薬が手放せない、飲む回数が増えてきた
- 肩こりや首のこりから始まり、頭全体が重くなる
- 頭痛のときは光や音、においがつらく感じる
まず「危険な頭痛」を除外します
頭痛の大半は生命に関わらないものですが、なかにはくも膜下出血、脳出血、脳梗塞、髄膜炎、脳腫瘍などが原因となる「二次性頭痛」が隠れています。診療ではまずこれを除外します。
次のいずれかに当てはまる場合は、緊急性が高い可能性があります。ためらわず救急要請(119番)をご検討ください。
- 突然始まった、経験したことのない激しい頭痛
- いつもの頭痛と明らかに性質が違う
- 発熱や首の硬さ、意識のもうろうを伴う
- 手足のしびれや脱力、ろれつが回らないなどを伴う
- 50歳以降に初めて起こった頭痛
- 日を追うごとに強くなっていく頭痛
- 転倒や事故などで頭を打った直後に始まった頭痛、意識を失った、吐き気や嘔吐を伴う
当院では必要と判断した場合、MRIで脳の状態を確認します。緊急の処置が必要な場合は速やかに連携医療機関へおつなぎします。
一次性頭痛の3つのタイプ
危険な原因がない頭痛を「一次性頭痛」と呼びます。国際頭痛分類(ICHD-3)に基づき、問診でタイプを判別します。タイプによって効く薬がまったく異なるため、この見極めが治療の要になります。
| 片頭痛 | 緊張型頭痛 | 群発頭痛 | |
|---|---|---|---|
| 痛みの性質 | ズキンズキンと脈打つ | 頭全体が締めつけられる、重い | 目の奥をえぐられるような激痛 |
| 部位 | 片側が多い(両側のこともある) | 両側 | 片側の目の周囲 |
| 持続時間 | 4〜72時間 | 30分〜数日 | 15分〜3時間 |
| 随伴症状 | 吐き気、光・音・においへの過敏 | 明らかな随伴症状は乏しい | 同じ側の涙、鼻づまり、目の充血 |
| 体を動かすと | 悪化する | 変わらない、むしろ楽になることも | じっとしていられず動き回る |
| 主な誘因 | 気圧・月経・寝不足・寝すぎ | 姿勢、長時間のデスクワーク | 飲酒、一定の時間帯に集中 |
頭痛薬を使いすぎていませんか(薬物乱用頭痛)
鎮痛薬を頻繁に使ううちに、薬そのものが頭痛を引き起こす状態になることがあります。
目安として、トリプタンや複合鎮痛薬を月10日以上、または一般的な鎮痛薬を月15日以上、3か月を超えて使用している場合は、この状態が疑われます。
「効きが悪くなった」「薬の量が増えた」「毎日のように頭が痛い」という方は、薬を減らす計画と、その間の頭痛を抑える手立て、そして発作そのものを減らす予防治療を組み合わせて立て直していきます。自己判断での急な中断は症状を悪化させることがあるため、ご相談ください。
首が原因の頭痛(頚原性頭痛)という視点
後頭部から首筋にかけての痛み、片側だけの頭痛、首を動かすと誘発される頭痛——これらは頚椎の関節や神経に由来する「頚原性頭痛」の可能性があります。頚椎症や椎間板の変性、むち打ち症の後遺症が背景にあることも少なくありません。
この頭痛は、薬だけでは十分に改善しないことがあり、頚椎の状態そのものを評価する必要があります。
当院は整形外科を基盤とし、脊椎疾患とMRI画像診断を専門とする医師が在籍しています。頭痛の診療のなかで、必要に応じて頚椎のMRI評価と理学療法士によるリハビリまで、同じ院内で完結できる点は、頭痛を扱う医療機関のなかでも当院の特徴です。
見分けが必要な、そのほかの頭痛
頭を打ってから時間がたって現れる頭痛
- 原因:頭部を打った際の出血が、時間をかけて脳を圧迫するようになるもの
- 症状:受傷から数週間から数か月たって、頭痛、物忘れ、歩きにくさ、手足の力の入りにくさが現れる。ご高齢の方では、頭痛よりも物忘れや歩きにくさが目立つことがあります
- 備考:ご高齢の方、お酒をよく飲まれる方、血液をさらさらにする薬を服用中の方では、軽くぶつけた程度でも起こることがあります。ぶつけたこと自体を覚えていない場合も少なくありません。手術で改善が期待できる状態ですので、心当たりのある方はご相談ください
薬の影響による頭痛
- 原因:一部の血管拡張薬、ホルモン製剤など
- 症状:服薬開始や増量の時期と、頭痛が始まった時期が重なる
- 備考:他院で処方されているお薬も含め、お薬手帳をご持参ください
当院の頭痛治療
急性期治療(起きてしまった発作を抑える)
痛みの強さとタイプに応じて、トリプタン系薬剤やラスミジタンなどを使い分けます。吐き気を伴う場合は制吐薬を併用します。
予防治療(発作を起こりにくくする)
月に複数回の発作がある方、日常生活に支障が出ている方には、発作の頻度そのものを減らす治療をご提案します。従来から用いられる薬剤(ロメリジン、バルプロ酸、プロプラノロール、アミトリプチリンなど)に加え、近年は片頭痛のために開発されたCGRP関連薬が使えるようになりました。
CGRP関連薬について
CGRPは片頭痛発作に深く関わる物質で、これを標的とする薬剤には経口薬と注射薬があります。経口薬は2025年以降に国内で承認され、急性期治療と発症抑制の両方に用いられるもの、発症抑制に用いられるものがあります。
従来の予防薬で十分な効果が得られない方には有力な選択肢となりますが、従来薬に比べて費用の負担が大きいという側面もあります。当院では、まず頭痛のタイプと発作の頻度を見極めたうえで、これらの薬剤が適応となるかどうか、期待できる効果と費用の見通しを含めてご説明し、治療の選択肢としてご提案します。
そのうえで、どの治療を選ぶかは患者さんとご相談しながら決めていきます。
頭痛ダイアリーのおすすめ
診断の精度を大きく左右するのが、発作の記録です。初診までの間、可能な範囲で次をメモしてお持ちください。
- 頭痛が起きた日と時刻、続いた時間
- 痛みの場所と強さ(10段階でおよそ何点か)
- 服用した薬の名前と量、効いたかどうか
- 吐き気・光や音のつらさの有無
- 月経、睡眠、天候など、思い当たるきっかけ
診療のご案内
脳神経内科外来は毎週水曜日の診療です。予約制ですので、Web予約またはお電話でご相談ください。お薬手帳を必ずご持参ください。
当院は笹塚駅徒歩1分・ビル1階にございます。
【監修】医師 津田 浩史(神経内科指導医・専門医/総合内科専門医)
東北大学医学部 脳神経内科 客員教授/東邦大学医学部 脳神経内科 客員教授/順天堂大学医学部 脳神経内科 非常勤講師
アークスキャン整形外科-笹塚 脳神経内科 〒151-0073 東京都渋谷区笹塚1-58-6 マルシンビル1階 TEL 03-6273-6922