肩の痛み|五十肩だけではありません。MRIで見極めて正しい治療を
こんな症状でお悩みではありませんか?
- 腕を上げようとすると肩が痛い、途中で止まる
- 夜中に肩がうずいて目が覚める
- 洋服を着たり、髪を結ぶのがつらい
- 痛くて肩が動かない。無理に動かすとさらに痛い
- 以前より力が入らず、物を落としやすくなった
こうした症状は、「五十肩」だけではなく、複数の異なる疾患が隠れていることがあります。
実際に多く見られるのは以下の3つです:
- 肩関節周囲炎(軽度の炎症)
- 腱板損傷(肩のインナーマッスルの損傷)
- 癒着性関節包炎(いわゆる凍結肩)
それぞれ治療法も回復期間も異なるため、正しい診断がとても大切です。
MRIによる正確な診断がカギ
当院では、症状の聞き取りと徒手検査に加えて、MRIによる画像診断を行い、3つの病態を正確に見極めています。
痛みの場所・可動域の制限・夜間痛の有無など、外からの診察だけではわからない病態も、MRIでは以下のように確認できます:
疾患名 | MRIでわかる特徴 |
---|---|
肩関節周囲炎 | 滑液包の腫れ・腱の軽度の炎症所見 |
腱板損傷 | 腱板の断裂の有無、程度(部分 vs 完全) |
癒着性関節包炎 | 関節包の肥厚、炎症、拘縮の程度 |
📌 MRIによって「どの病態や段階にあるのか」を把握することが、的確な治療計画につながります。
ガイドラインに基づく治療方針|肩の状態に合わせた段階的なリハビリが重要です
肩の痛みには「五十肩(肩関節周囲炎)」「腱板損傷」「癒着性関節包炎」などさまざまな病態があります。
これらの治療には、**APTAやJOSPTなどの国際ガイドラインで推奨される「病期に応じた段階的リハビリ」**が重要です。
🔹 炎症期(痛みが強い時期)
- 強い痛みや夜間痛がある時期
- 振り子運動などごく軽い可動域維持運動で悪化を防ぎます
- 無理なストレッチはNG。安静と生活動作の工夫が大切です
🔹 拘縮期(肩が固まる時期)
- 痛みはやや落ち着き、動きの悪さが目立つ時期
- 関節や肩甲骨の動きを取り戻すためのやさしいストレッチと姿勢改善を行います
🔹 回復期(動きが戻ってくる時期)
- 筋力や協調運動の回復が中心
- インナーマッスルや体幹の連動を高める運動で再発を防ぎます
📌 肩の治療は「とにかく動かす」ではなく、「時期に応じて正しく動かす」ことが大切です。